あー車が壊れたんだ。爆発する。もうだめだ。そう思った。
車は壊れなかった。バンバン言っていたのは車じゃなくて地面。ちょっとほっとしながらとても動揺して車を走らせた。
そのとき私はなにも知らなかった。
わたしの車は壊れなかったけれど、もっともっと大きな沢山のあれやこれやが壊れていた。
地面が揺れて、海が命を飲み込んで炎が沢山のあれこれを燃やした。
最初はあっというまに。
そのあとは少しづつ少しづつ、
生活や心や命を壊して言った。
あの人の心も、少しづつ壊れたんだろうか。
あの人の真ん中のきらきらしていて壊れやすい美しいものがちょっとづつ。
あの人のすぐ近くにいて、あの人を愛している人さえどうすることもできないくらい、心の奥のもの。
わからない。
今も壊れ続けているのか、
壊れるのは止まったのか、
ちょっとづつ修復しているのか、
あの人自身もわからないのかもしれない。
たとえ壊れた部分はそのままでも、また新しいきらきらがあの人の心の中に沢山生まれていてくれたらいいな。
あの日があったからわかったことが沢山ある。
あの日があったから生まれたものも。
だけど、
消えていった、壊れていったもの達がが大きすぎて、大事すぎて、美しすぎて、
大事な経験をしたとか、あれはあれで起こるべくした起こったんだとか、言えない。
きっと、これからもずっと。
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