(本)中島義道「ひとを<嫌う>ということ」|まだ東京で消耗してるの?
タイトルが過激??ですが、読んでほっとしました。
小さい頃から、人を嫌ったり憎んだりすることはいけないことだと思い込んでいました。母からおそわったわけではありません。むしろ母は、
“嫌い”な気持ちや“憎い”という気持ちは醜いことだと思い、人から嫌われることにおびえていた私に、
“まあ、それでいいじゃないの。” と言ってくれる本でした。
“嫌い”と向き合う本といえば、アドラー心理学の本『嫌われる勇気』があります。
『嫌われる勇気』に書いてあったのは“人から好かれようとしたり嫌われないようにしたりすることではなく、“他者に社会に貢献できているか”を考えること。”でした。
『ひとを“嫌う”ということ』は、ぐっと自分の心に踏み込んで“嫌い”にまっすぐに向き合う本。
“嫌いだ!”という気持ちにとらわれて苦しくて仕方ないとき、“嫌われたんじゃないか、嫌われているんじゃないか”と不安でたまらなくなるとき、人を嫌う自分嫌でたまらないとき、許せないとき、私は救いを求めて本屋へ行くことが多かったです。
その時に読んだ本にはたいてい
“相手のいいところを見なさい、忘れなさい、許しなさい”
と書いてありました。
それが出来たらそりゃ楽になりますよ。でもなかなかできないんですよね。
嫌うことが怖くなると、人を好きになることも怖くなる
ちょっと長く生きていて、“好き”と“嫌い”は相反するものではなく、背中合わせなものだと気が付いてしまいました。
最初から嫌だなーと思う人もいますがそれ以上は大して嫌いにもなりません。
その一方で、一番好きな人は何かをきっかけに、一番嫌いな人、一番憎い人になってしまうことがあります。
仲良しだっだひとを 嫌うのも嫌われるのも辛い。だから、あまり仲良くならないようにしよう、距離を置いてひっそり暮らそうなんて思ってみたり。
でもこの本を読んで、いつの日か嫌ったり嫌われたりしてもいいや、憎みあってもまあいいやと思ったら、好きになるのも仲良くなるのも、ちょっと怖くなくなりました。
嫌ってもいいし、嫌われるのもお互いさまさ!と思うと気持ちが楽になり、いつのまにか自己嫌悪や相手に対する憎しみが小さくなっていたりします。
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