人付き合いが苦手なわたしの悩みを何時間も聞いてくれた。
うまく周りと付き合えない私をクッションになって守ってくれた。
「いつもごめんね。巻き込んで迷惑かけてごめんね」
と私がいうと、
「ぜーんぜん、ほんのちょっとも迷惑じゃないからね」
と言ってそばにいてくれた特別な人だ。
ちいさな男の子のお母さんでもある彼女は沖縄の人。大きな綺麗な深い色の“沖縄の人”の目をしている。
彼女は大きな目で私を見ながら言った。
「ねー、震災の前の日、2人で会ったよね。楽しかったな。」
うん、そうだったね。
・・・あの日は、その次の日だったね。
あの日さえなかったらな、と彼女は言った。
終わった。と思ったあの日。小さな男の子はまだ人間の形はしていなくて、卵で、彼女の体の中で出てくる順番を待っていたんだ。
その次に彼女に会ったときは男の子は赤ちゃんになってだっこひもの中でじっと私を見てた。
今は大好きな電車を見ながら表情をころころ変え、指をさしてわたしに何かを教えてくれようとしている。
ちいさな頭の中で脳みそがフル回転しているのがわかる。一瞬一瞬、脳神経がどんどん伸びているんだろうな。
特別な人のこどもは、特別な人になる。
なにかが起きてこれきり二度と2人に会えないとしても、この子は私にとって特別な人になるんだろう。
でもね。また会いたいね。
また会おう。
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