クラスの子たちが持っていたリコーダー袋は、可愛い木綿の生地を直線縫いして、口の部分にゴムを通したシンプルなもの。
母が作ってくれたリコーダー袋は、ピンクの毛糸をきらきらした糸と一緒に編んでもの。、口の部分にゴムひもが編みこんであって、きゅっと結ぶと花びらみたいに ひらひらした。
とっても可愛いリコーダー袋なのに、私は嫌で嫌でたまらなかった。とっても目立つリコーダー袋が恥ずかしくて仕方なかった。
昼も夜もずっと働き詰めの母が作ってくれたリコーダー袋なのに。なんてひどい娘なんだろう。母親が子供のものを作るのは当たり前のことだと思っていたんだ。
わたしが、
「これ嫌い」
というと、
「えー嫌いなの?残念だな」
と笑っていた母。
今の私が立っていられるのは、すべてを受け止めてくれた母がいたから。
色白で大きな目をした母の、可愛い笑顔を思い出す。
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