こみねゆらさんの挿絵が綺麗。この絵たちの中に住みたい。
時間のすきまに落ちた新聞記者の“私”と、時間のすきまに住んでいる女の子のお話。小さな可愛い女の子は、そんじょそこらの大人よりもはるかにしっかり者でたくましい。
やさしいおとぎばなしの中で女の子が語ることは、どんなエッセイやフィクションに書かれていることよりもよりも“本当のこと”でした。
「考えることは大事よ。考えれば大抵のことはわかるんだから」
そのことばからはじまり、そのあと物語の最後まで、女の子は女の子が“考えたたいていのこと”を教えてくれます。
誰も守ってくれる人のいない世界に放り出されて、そばには守らなきゃならない存在があったらどうするべきか。
女の子はまだ9歳なのに、とっても経験豊富なのです。なんと言っても彼女は9歳にして企業家。庭でレモンの木を育ててスタジアムでレモネードを売ったり、針仕事をやったりしているのです。
本当のことを知りたかったら、おとぎ話を読めばいい。
多くおとぎばなしは、夢をみるためではなく現実に立ち向かうための知恵を教えるために書かれたのでしょう。かぎりなくおばあさんに近いおばさんになってから気づくなんて、遅すぎますね。
おともだちがこの本をプレゼントしてくれなかったら、一生気が付かなかったかも。ありがとう。
江國 香織さんの本いろいろ
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